2007年06月21日
「ユキちゃんの一日 その4」
ななついろ★ドロップス Short Story
〜「ユキちゃんの一日 その4」〜
「ユキちゃん、ユキちゃん♪」
ユキちゃんさんがすももちゃんのお家に辿り着くと、すももちゃんが、ニコニコ微笑みながらやってきました。後ろ手に、何か隠しているようです。
「どうしたの? ご機嫌だね。すもも」
「うん! 見てみて。ほら!」
すももちゃんが手を前に出しました。その手には、ユキちゃんさんをピンクっぽくしたぬいぐるみが握られています。
「あのね。ユキちゃん。このぬいぐるみ、わたしが作ったんだよ」
「へー。すももって、(意外と)器用なんだね」
ユキちゃんさんは、失礼なことを考えつつも、感心しているようです。
ぬいぐるみを、もっと良く見てみましょう……ほほぅ……ユキちゃんさんが感心するのも無理はありません。目、眉、鼻、口、手足にモコモコの体。どこを取っても、そっくりです。そして、角からは、バターの香ばしい香りが……
「って、この角、クロワッサン!?」
「うん。それも、(お父さんの)手作りなんだよ♪」
何故か、食べられるようです。きっと、非常食なんですね。
「ということは、この子の名前は、『メンチ』かな?」
「うーん。『メンチ』は、商標登録されてるんじゃないかな?」
どうやら、既出だったようです。
「ふーん。それじゃあ、この子の名前は、考えてあるの?」
「うん! 『ムーディー月券山』」
右から左へ受け流しておきましょう。
「ふーん。それじゃあ、この子の名前は?」
「うーん……それじゃあ、『メソ』」
ユキちゃんさんは、恐る恐るぬいぐるみの背中を確認しました。どうやら、チャックは付いていないようです。
「すもも。チャックが無いなら、『メソ』はダメだよ」
「そうかな?」
「そうだよ」
ユキちゃんさんからダメだしが出ました。
「それじゃあ、ユキちゃんが付けてあげてくれるかな?」
「ボクが?」
ユキちゃんさんは、目を円くして驚いています。
「うん。ユキちゃんが付けてくれるなら、わたし、何でもいいよ♪」
すももちゃんのナチュラルな萌え発言に、ユキちゃんさんは少し赤くなりました。熱くなった頬を隠そうと、横を向いて頬を掻きながら名前を考えているようです。
「うーん。そうだな……」
「わくわく。わくわく」
すももちゃんの瞳に、キラキラ輝くお星様が見えます。ユキちゃんさんも、期待を裏切れません。
「うーん。ピンクの羊……ピンクの羊……羊……羊(ヨウ)…………!!!」
ユキちゃんさんは、何かいい考えが浮かんだようです。
「すもも! 『洋ピン』なんてどうだい?」
「…………」
ユキちゃんさんの答えに、すももちゃんは、すさまじい笑顔を浮かべています。
「あ……あれ? すも…すもも……さん?」
すももちゃんの顔が、ユキちゃんさんの顔に、少しずつ近づいていきます。
「あ……ちょ……えと…………ア……アアア!!!」
しばらくお待ちください――――
「ユキちゃん。お名前、付けてくれるかな?」
「あっ。うん。そうだね。うーんと……ボクは、シロかったからユキちゃんだったんだよね……じゃあ、この子はピンクだから……『モモちゃん』なんてどうかな?」
さすがに懲りたのか、今度は、まともな答えです。
「うん! それいいね♪」
すももちゃんは、気に入ってくれたようです。
「そう? はぁ……よかった」
ユキちゃんさんは、ホッと溜め息を吐き、その場に座り込みました。
「それじゃあ、今からこの子の名前は、『ユキ子ちゃん』に決定!!!」
「ゑ?……」
「ユキ子ちゃん。よかったね。ユキちゃんお兄ちゃんが、お名前付けてくれたよ♪」
「…………アア…………ソウ…………デスカ…………」
ユキちゃんさんには、反論する気力も残っていないようです。
〜「ユキちゃんの一日 その4」〜
「ユキちゃん、ユキちゃん♪」
ユキちゃんさんがすももちゃんのお家に辿り着くと、すももちゃんが、ニコニコ微笑みながらやってきました。後ろ手に、何か隠しているようです。
「どうしたの? ご機嫌だね。すもも」
「うん! 見てみて。ほら!」
すももちゃんが手を前に出しました。その手には、ユキちゃんさんをピンクっぽくしたぬいぐるみが握られています。
「あのね。ユキちゃん。このぬいぐるみ、わたしが作ったんだよ」
「へー。すももって、(意外と)器用なんだね」
ユキちゃんさんは、失礼なことを考えつつも、感心しているようです。
ぬいぐるみを、もっと良く見てみましょう……ほほぅ……ユキちゃんさんが感心するのも無理はありません。目、眉、鼻、口、手足にモコモコの体。どこを取っても、そっくりです。そして、角からは、バターの香ばしい香りが……
「って、この角、クロワッサン!?」
「うん。それも、(お父さんの)手作りなんだよ♪」
何故か、食べられるようです。きっと、非常食なんですね。
「ということは、この子の名前は、『メンチ』かな?」
「うーん。『メンチ』は、商標登録されてるんじゃないかな?」
どうやら、既出だったようです。
「ふーん。それじゃあ、この子の名前は、考えてあるの?」
「うん! 『ムーディー月券山』」
右から左へ受け流しておきましょう。
「ふーん。それじゃあ、この子の名前は?」
「うーん……それじゃあ、『メソ』」
ユキちゃんさんは、恐る恐るぬいぐるみの背中を確認しました。どうやら、チャックは付いていないようです。
「すもも。チャックが無いなら、『メソ』はダメだよ」
「そうかな?」
「そうだよ」
ユキちゃんさんからダメだしが出ました。
「それじゃあ、ユキちゃんが付けてあげてくれるかな?」
「ボクが?」
ユキちゃんさんは、目を円くして驚いています。
「うん。ユキちゃんが付けてくれるなら、わたし、何でもいいよ♪」
すももちゃんのナチュラルな萌え発言に、ユキちゃんさんは少し赤くなりました。熱くなった頬を隠そうと、横を向いて頬を掻きながら名前を考えているようです。
「うーん。そうだな……」
「わくわく。わくわく」
すももちゃんの瞳に、キラキラ輝くお星様が見えます。ユキちゃんさんも、期待を裏切れません。
「うーん。ピンクの羊……ピンクの羊……羊……羊(ヨウ)…………!!!」
ユキちゃんさんは、何かいい考えが浮かんだようです。
「すもも! 『洋ピン』なんてどうだい?」
「…………」
ユキちゃんさんの答えに、すももちゃんは、すさまじい笑顔を浮かべています。
「あ……あれ? すも…すもも……さん?」
すももちゃんの顔が、ユキちゃんさんの顔に、少しずつ近づいていきます。
「あ……ちょ……えと…………ア……アアア!!!」
しばらくお待ちください――――
「ユキちゃん。お名前、付けてくれるかな?」
「あっ。うん。そうだね。うーんと……ボクは、シロかったからユキちゃんだったんだよね……じゃあ、この子はピンクだから……『モモちゃん』なんてどうかな?」
さすがに懲りたのか、今度は、まともな答えです。
「うん! それいいね♪」
すももちゃんは、気に入ってくれたようです。
「そう? はぁ……よかった」
ユキちゃんさんは、ホッと溜め息を吐き、その場に座り込みました。
「それじゃあ、今からこの子の名前は、『ユキ子ちゃん』に決定!!!」
「ゑ?……」
「ユキ子ちゃん。よかったね。ユキちゃんお兄ちゃんが、お名前付けてくれたよ♪」
「…………アア…………ソウ…………デスカ…………」
ユキちゃんさんには、反論する気力も残っていないようです。
つづく―
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目次
ななついろ★ドロップス 短編
〜「さくらいろのほしぞらのしたで」〜
・「プロローグ」
・第01回「ずっといっしょ……」
・第02回「そのであいは、ゆうきのはじまり」
・第03回「なでしこのことば」
・第04回「わらいごえは、そらのかなた」
・第05回「ふたりのてのひら」
・第06回「ボクがきえるひ」
・第07回「にびいろのしずく」
・第08回「せいしろうとぼく」
・第09回「さくらいろのほしぞらのしたで」
・「エピローグ」
・あとがき
冗談企画
〜「オー!ユッキー」〜
・「オー!ユッキー その3」
・「オー!ユッキー その2」
・「オー!ユッキー その1」
ななついろ★ドロップス Short Story
〜「ユキちゃんの一日」〜
・「ユキちゃんの一日」
・「ユキちゃんの一日 その2」
・「ユキちゃんの一日 その3」
・「ユキちゃんの一日 その4」
・「ユキちゃんの一日 その5」
・「ユキちゃんの一日 その6」
ななついろ★ドロップス 短編
〜第5.5話「キミにむけるほほえみ」〜
・はじめに
・第01回「はじまり」
・第02回「たいへんたいへん」
・第03回「すもものムチャ」
・第04回「ふたりといっぴき」
・第05回「ほしのはな」
・第06回「すもものなみだ」
・第07回「りべんじ」
・第08回「ここはどこ?」
・第09回「ほしぞらのしたで……」
・第10回「さかないの?」
・第11回「みんなのねがい」
・最終回「キミにむけるほほえみ」
・あとがき
