2007年06月03日
第07回「りべんじ」
ななついろ★ドロップス Short Story
〜第5.5話「キミにむけるほほえみ」〜
第07回 「りべんじ」
秋姫は、一旦家に戻ると、いつもの服に着替え、そのまま家を後にした。
家を出たところで、指輪が光り始めた。方角は……やはり昨日の高台を示している。
「すもも。この光……」
「うん。きっと、昨日のしずくだよ!」
暗くなった夜道を、指輪の光を頼りに走り抜ける。月と無数の星々が、俺たちの進む道を照らしだす。星空に吸い込まれていく風が追い風となって背中を押す。
次第になないろの輝きがちらつき始める。虹のしずくだろうか?
「はぁ……はぁ……」
「すもも、大丈夫?」
秋姫は、少し息が上がってきたようだ。
「うん……はぁ……まだまだ平気だよ」
息切れはしているものの、秋姫の表情は、まるで疲れを感じさせない。
高台に辿り着くと、虹のしずくは、俺たちを待っていたかのように、静にそこにあった。なないろの光を明滅させながら、ただ、そこに漂っている。
「すもも……動かないね」
「うん……」
秋姫は、指輪からレードルを取り出すと、虹のしずくに先を向ける。
「このまま、すくえるかな?」
「うん……気をつけて……」
「プルヴ……きゃっ!」
突然、目の前に虹が現れた。先ほどまでそこにあった虹のしずくは、すでに姿を消している。振り返った虹の先に、しずくの姿が見える。
「まさか、今の一瞬で移動したのか!?」
秋姫は、もう一度、レードルをしずくに向ける。一歩踏み出したその瞬間、またも、目の前に虹が現れる。虹のしずくは、新しく出来た虹の先にたたずんでいる。こんなに素早いしずくは、見たことがない。
「すもも!」
「大丈夫。わたし、絶対にすくってみせるから!」
そういうと、秋姫は虹のしずくに向かって、再びレードルを向ける。しかし、秋姫が近づこうとするたびに、虹のしずくは大きく移動する。秋姫の顔にも、次第に焦りの色が浮かんできた。
俺は、虹のしずくの動きを観察する。
(始めは、後ろで、次は、あっち……その次は…………ん?)
虹のしずくと秋姫の位置関係に気付く。秋姫は、元々いたところからほとんど動いていない。虹のしずくは、秋姫の周りを回っているだけのようだ。
「……?」
虹のしずくが動いた軌跡に、なないろの虹が残る。虹のしずくの動きが速くなるに連れ、秋姫が虹に包まれていく。
「すもも! なんだか、様子がおかしい! 早くそこの虹から出て!!!」
「うん!」
ゴツン!
「あうっ!」
秋姫は、頭をぶつけたのか、鈍い音がした。
「痛っ……あれ? う〜〜〜ん……ユキちゃん! この虹、光じゃない! 壁になってて進めない!」
「えっ!?」
その時、秋姫を包むなないろの光が、一際輝きを増した。
「きゃぁ〜!」
「うわぁ〜!」
余りの眩しさに目をつぶる。
「すもも〜〜〜!!!」
俺は、迷わず光の中へと飛び込んでいった。
〜第5.5話「キミにむけるほほえみ」〜
第07回 「りべんじ」
秋姫は、一旦家に戻ると、いつもの服に着替え、そのまま家を後にした。
家を出たところで、指輪が光り始めた。方角は……やはり昨日の高台を示している。
「すもも。この光……」
「うん。きっと、昨日のしずくだよ!」
暗くなった夜道を、指輪の光を頼りに走り抜ける。月と無数の星々が、俺たちの進む道を照らしだす。星空に吸い込まれていく風が追い風となって背中を押す。
次第になないろの輝きがちらつき始める。虹のしずくだろうか?
「はぁ……はぁ……」
「すもも、大丈夫?」
秋姫は、少し息が上がってきたようだ。
「うん……はぁ……まだまだ平気だよ」
息切れはしているものの、秋姫の表情は、まるで疲れを感じさせない。
高台に辿り着くと、虹のしずくは、俺たちを待っていたかのように、静にそこにあった。なないろの光を明滅させながら、ただ、そこに漂っている。
「すもも……動かないね」
「うん……」
秋姫は、指輪からレードルを取り出すと、虹のしずくに先を向ける。
「このまま、すくえるかな?」
「うん……気をつけて……」
「プルヴ……きゃっ!」
突然、目の前に虹が現れた。先ほどまでそこにあった虹のしずくは、すでに姿を消している。振り返った虹の先に、しずくの姿が見える。
「まさか、今の一瞬で移動したのか!?」
秋姫は、もう一度、レードルをしずくに向ける。一歩踏み出したその瞬間、またも、目の前に虹が現れる。虹のしずくは、新しく出来た虹の先にたたずんでいる。こんなに素早いしずくは、見たことがない。
「すもも!」
「大丈夫。わたし、絶対にすくってみせるから!」
そういうと、秋姫は虹のしずくに向かって、再びレードルを向ける。しかし、秋姫が近づこうとするたびに、虹のしずくは大きく移動する。秋姫の顔にも、次第に焦りの色が浮かんできた。
俺は、虹のしずくの動きを観察する。
(始めは、後ろで、次は、あっち……その次は…………ん?)
虹のしずくと秋姫の位置関係に気付く。秋姫は、元々いたところからほとんど動いていない。虹のしずくは、秋姫の周りを回っているだけのようだ。
「……?」
虹のしずくが動いた軌跡に、なないろの虹が残る。虹のしずくの動きが速くなるに連れ、秋姫が虹に包まれていく。
「すもも! なんだか、様子がおかしい! 早くそこの虹から出て!!!」
「うん!」
ゴツン!
「あうっ!」
秋姫は、頭をぶつけたのか、鈍い音がした。
「痛っ……あれ? う〜〜〜ん……ユキちゃん! この虹、光じゃない! 壁になってて進めない!」
「えっ!?」
その時、秋姫を包むなないろの光が、一際輝きを増した。
「きゃぁ〜!」
「うわぁ〜!」
余りの眩しさに目をつぶる。
「すもも〜〜〜!!!」
俺は、迷わず光の中へと飛び込んでいった。
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目次
ななついろ★ドロップス 短編
〜「さくらいろのほしぞらのしたで」〜
・「プロローグ」
・第01回「ずっといっしょ……」
・第02回「そのであいは、ゆうきのはじまり」
・第03回「なでしこのことば」
・第04回「わらいごえは、そらのかなた」
・第05回「ふたりのてのひら」
・第06回「ボクがきえるひ」
・第07回「にびいろのしずく」
・第08回「せいしろうとぼく」
・第09回「さくらいろのほしぞらのしたで」
・「エピローグ」
・あとがき
冗談企画
〜「オー!ユッキー」〜
・「オー!ユッキー その3」
・「オー!ユッキー その2」
・「オー!ユッキー その1」
ななついろ★ドロップス Short Story
〜「ユキちゃんの一日」〜
・「ユキちゃんの一日」
・「ユキちゃんの一日 その2」
・「ユキちゃんの一日 その3」
・「ユキちゃんの一日 その4」
・「ユキちゃんの一日 その5」
・「ユキちゃんの一日 その6」
ななついろ★ドロップス 短編
〜第5.5話「キミにむけるほほえみ」〜
・はじめに
・第01回「はじまり」
・第02回「たいへんたいへん」
・第03回「すもものムチャ」
・第04回「ふたりといっぴき」
・第05回「ほしのはな」
・第06回「すもものなみだ」
・第07回「りべんじ」
・第08回「ここはどこ?」
・第09回「ほしぞらのしたで……」
・第10回「さかないの?」
・第11回「みんなのねがい」
・最終回「キミにむけるほほえみ」
・あとがき
