本サイトについて

このブログ(以下、本サイト)は、管理人はっぱが運営するサイト「ほっと一息葉桜亭」の別館です。

本サイトでは、管理人が書いたSS(Short Story)を公開します。
主に、PCゲームの二次創作になるかと思われます。
不都合等ございましたら、お手数ですが、
下記URLのaboutページよりご連絡ください。(または、ブログのコメントでもかまいません。)
http://www.marv.mediatti.net/~happa175/hazakura/index.html

■著作権について■
本サイトのコンテンツ(記事・写真・画像)の著作権は、
管理人はっぱに帰属しております。
無断転載、無断コピーなどは、お控えになり、

■リンクについて■
本サイトは、リンクフリーです。以下のURL(このページ)をご利用ください。
http://happa2245ss.seesaa.net/

■コメント・トラックバックについて■
今のところ、特に制限を設ける予定はございませんが、
状況に応じて、制限等、設けさせていただく場合がございます。
また、余りにも本ページと掛け離れたトラックバックにつきましては、
こちらの判断で削除させていただく場合がございます。
あらかじめご了承ください。

Copyright c Leaf Cherry Blossom Cafe

2007年06月02日

第01回「はじまり」

ななついろ★ドロップス Short Story
〜第5.5話「キミにむけるほほえみ」〜

第01回 「はじまり」


 キーンコーンカーンコーン

 聞き慣れたチャイムの音が鳴り響くと、クラス中にホッとしたどよめきが広がる。今日の授業もこれで終わりだ。俺は、固まった体をほぐすため、大きく伸びをした。
 さて。今日の部活は、どうするのだろう?
 秋姫の方を向こうとすると、松田さんの声が近づいてきた。
「お嬢様〜! お急ぎくださ〜い! お屋敷がぁ〜!」
 結城を呼びにきたようだが、かなり慌てている。
「松田。騒々しいです」
「お嬢様〜ぁ! も゛う゛じわげござりまぜん」
「もう少し落ち着きなさい。慌てなくても行きますから」
「おね゛がいい゛だじまず〜」
 結城は、許しを請う子供のように泣きじゃくる松田さんを引きずりながら教室を出て行った。
 家の方で何かあったのだろうか? 慌しく帰路につく結城を見送ると、俺は、秋姫の席へと向かう。机の前で、八重野が秋姫の顔を覗き込んでいる。
「すもも、少し顔が赤い。大丈夫?」
 八重野の心配そうな声に、俺も秋姫の顔を覗き込む。熱でもあるのだろうか。確かに、顔が赤い。
「うん。大丈夫だよ。ナコちゃん……」
 そういう秋姫だったが、言葉にも余り力が入っていない。心なしか、頭がフラフラしているようにも見える。
「大丈夫な様には見えない。熱があるんじゃない?」
「ああ。今日は、無理しないで帰った方がいいんじゃないか?」
 俺も、八重野の意見に賛同する。
 そんな俺たちに、秋姫は、困った様な表情を浮かべつつ、
「あのね。温室の奥にあるお花なんだけど……昨日、元気が無かったから、少し様子を見ていきたいの」
 そういえば、昨日の帰り際、秋姫が熱心に世話をしている花壇があった事を思い出す。あの花壇の事だろうか?
「それなら、私が見ておく。今日は、無理しないで。石蕗。すももを送っていってくれる?」
「ん? ああ。わかった。秋姫、いい?」
「ありがとう……ナコちゃん。石蕗く―」
 秋姫が席を立とうとすると、体が後ろに傾く。俺は、咄嗟に秋姫の手を取った。
「大丈夫?」
「……あ!?……う……うん」
 やはり、今日は、このまま帰らせた方がよさそうだ。
「あの……石蕗くん……」
「ん?」
「手……」
「……手?……!!!……ごめん!」
 握り締めていた手を慌てて離す。秋姫の顔が、熱ではない赤みを帯びる。自分の頬も熱く感じられる。うつむきながらこちらの様子をうかがう秋姫と、一瞬、目が合う。余りの気恥ずかしさに、二人同時に目を逸らした。
「ふふふ。ほら、石蕗。すももをお願い」
 八重野の微笑みが面映い。
「……あっ……秋姫?」
「……はい!」
「……行こうか」
「……うん」
 秋姫は、うつむいたまま、小さな声で返事をする。
 ふと、周りを見渡すと、クラス中の視線が、俺たちに向けられていた。
 いたたまれなくなった俺は、秋姫を連れて教室を後にする。
 ……俺たち、何をやっているのだろう?


 ――――――――――


「つ……石蕗くん」
 秋姫の声に、歩みを止める。
「秋姫? どうかした?」
「あの……その……もう少し、ゆっくり歩いてくれると……嬉しいな」
「っ!……ごめん……」
 恥ずかしさの所為か、無意識に早足になっていたようだ。
「あ……えっと、少し休む?」
「ううん。ゆっくり歩いてくれれば、大丈夫」
 今度は、秋姫のペースに合わせて歩き始める。今日は、普段より、少し遅い気がする。やはり、調子は良くないようだ。
「秋姫。大丈夫?」
「……うん。平気だよ」
 少し行くと、階段の踊り場に差し掛かる。
 階段を4段降りた所で、秋姫が立ち止まっているのに気付く。
「秋姫?」
「うん。今、行く……あっ……」
 階段を降りようと踏み出した足が空を踏む。支えるものの無い秋姫の体が宙に浮く。俺は、咄嗟に手を差し伸べ、秋姫の小さな体を受け止める。しかし、思った以上に勢いがあった。受け止める体勢も不十分だった俺は、そのまま、階段を転げ落ちる。


 ドサドサドサ!


 ご丁寧に、全ての段差に背中を打ち付ける。強烈な衝撃に、視界が暗転する。さらに、


 ゴン!


 落下が終わると、頭の中にイヤな音が鳴り響く。頭をぶつけたか。何故か痛みは感じない。変わりに、意識が薄れていくのがわかる。
「石蕗くん!」
 耳元で、秋姫の声が聞こえる。…秋姫……大丈夫………そう…………だな……………
 俺の意識は、闇の中へと消えていった。

posted by はっぱ at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はじめに

本、Short Story

ななついろ★ドロップス Short Story
〜第5.5話「キミにむけるほほえみ」〜

は、2006/4/21にユニゾンシフト様より発売されたPCゲーム
「ななついろ★ドロップス」の2次創作短編小説です。
すももシナリオの5話と6話の間のお話になります。
そのため、多少ですがネタバレを含みますので、ご注意ください。

何分、作者の書いた、初めての作品ですので、
お見苦しい所も多々あるかと存じますが、ご容赦ください。

それでは、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
つまらなかったら……犬に噛まれたと思って忘れてください(^^;;

それでは、下の目次からどうぞ――

posted by はっぱ at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

目次

ななついろ★ドロップス 短編
〜「さくらいろのほしぞらのしたで」〜
  ・「プロローグ」
  ・第01回「ずっといっしょ……」
  ・第02回「そのであいは、ゆうきのはじまり」
  ・第03回「なでしこのことば」
  ・第04回「わらいごえは、そらのかなた」
  ・第05回「ふたりのてのひら」
  ・第06回「ボクがきえるひ」
  ・第07回「にびいろのしずく」
  ・第08回「せいしろうとぼく」
  ・第09回「さくらいろのほしぞらのしたで」
  ・「エピローグ」
  ・あとがき

冗談企画
〜「オー!ユッキー」〜
  ・「オー!ユッキー その3」
  ・「オー!ユッキー その2」
  ・「オー!ユッキー その1」

ななついろ★ドロップス Short Story
〜「ユキちゃんの一日」〜
  ・「ユキちゃんの一日」
  ・「ユキちゃんの一日 その2」
  ・「ユキちゃんの一日 その3」
  ・「ユキちゃんの一日 その4」
  ・「ユキちゃんの一日 その5」
  ・「ユキちゃんの一日 その6」

ななついろ★ドロップス 短編
〜第5.5話「キミにむけるほほえみ」〜
  ・はじめに
  ・第01回「はじまり」
  ・第02回「たいへんたいへん」
  ・第03回「すもものムチャ」
  ・第04回「ふたりといっぴき」
  ・第05回「ほしのはな」
  ・第06回「すもものなみだ」
  ・第07回「りべんじ」
  ・第08回「ここはどこ?」
  ・第09回「ほしぞらのしたで……」
  ・第10回「さかないの?」
  ・第11回「みんなのねがい」
  ・最終回「キミにむけるほほえみ」
  ・あとがき